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生活習慣で「肥満」を予防・改善
肥満は多くの病気の“入り口”となる危険な状態です。しかし、日々の生活習慣を見直すことで、確実に予防・改善できる健康課題でもあります。食生活の乱れや運動不足を改善し、未来の健康を守る一歩を踏み出しましょう。

CONTENTS
- 見た目の問題だけじゃない、肥満はあらゆる病気の元凶
- 肥満の原因となる生活習慣は 「食生活の乱れ」と「運動不足」
- 今すぐ実践! 肥満を予防・改善する食生活と運動習慣
見た目の問題だけじゃない、肥満はあらゆる病気の元凶
肥満は見た目の問題だけでなく、全身の健康に大きな影響を及ぼす重大なリスク要因です。とくに内臓脂肪が増えると、脂肪細胞から炎症物質が分泌され、体は慢性的な炎症状態に陥ります。その結果、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を合併しやすくなり、動脈硬化を進めることで心筋梗塞や脳卒中を引き起こすリスクが高まります。また、近年の研究では大腸がん、乳がん、子宮体がん、肝がんなど、多くのがんの発症リスクを高めることが報告されています。
皮下脂肪がたまりすぎて体重が増えると、ひざや股関節、背骨などの障害が起こりやすくなります。また、首周りに皮下脂肪がつきすぎると、気道が狭くなり、睡眠時無呼吸症候群を引き起こすこともあります。

肥満の原因となる生活習慣は 「食生活の乱れ」と「運動不足」
肥満の根本的な原因は、摂取エネルギーと消費エネルギーのアンバランスにあります。
単なる過食だけでなく、糖質や脂質の多い高エネルギー食への偏り、野菜不足、食べる時間や食べ方など食生活の乱れにも肥満の原因が潜んでいます。
運動不足については、単に運動をしないことだけでなく、日常生活や仕事においても機械化やIT 化が進み、体を動かすことがめっきり少なくなっていることが、現代人の肥満を助長しています。
このように肥満は原因が比較的はっきりしているので、悪しき習慣を正すことによって、予防・改善が十分に可能です。

今すぐ実践!
肥満を予防・改善する食生活と運動習慣
食生活
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ゆっくり食べよう

肥満の人はやせている人に比べて食べる速度が速いという報告もあります。「よく噛んで食べる」「会話を楽しみながら食べる」「汁物で流し込むような食べ方をしない」などの工夫で、ゆっくり食べる習慣をつけましょう。
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夕食は就寝3時間以上前にすませよう

夜遅い時間に摂取したエネルギーは消費されにくく、体脂肪として蓄積されやすくなります。夕食がどうしても遅くなってしまう場合は、夕方早めの時間に主食をおにぎりなどでしっかりとり、帰宅後の夕食は主菜や副菜だけにするのがおすすめです。また、朝昼晩の3食以外の間食などはやめましょう。
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朝食をしっかり食べよう

朝食抜きの習慣は、不活発な生活につながります。また、たんぱく質を十分にとることで満腹感を高められ、肥満予防に効果的です。
〈たんぱく質を豊富に含む食品〉
・卵 ・牛乳、ヨーグルト ・納豆 など
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過食をやめよう

腹八分目を心がけ、スマホやテレビを見ながらの"ながら食い"、ストレス解消のための"やけ食い"、朝食や昼食を抜いての"まとめ食い" など、過食につながりやすい食習慣は改めましょう。
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バランスよく食べよう

食事を外食やデリバリー、コンビニ食ですませがちの人は、糖質や脂質のとりすぎ、野菜不足に陥りがちです。主食・主菜・副菜が揃った、栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。
運動習慣
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1回30分以上の運動を週2回以上、習慣にしよう

脂肪燃焼効果の高い「有酸素運動」や、脂肪が燃えやすい体をつくる「筋力トレーニング」を習慣として行いましょう。運動の強度は、軽く汗をかく程度が目安です。運動習慣をつけることで代謝がアップし、やせやすく、太りにくい体になります。
〈有酸素運動の例〉
・ウオーキング ・水泳 ・サイクリング ・踏み台昇降 など
〈筋力トレーニングの例〉
・腹筋・背筋 ・腕立て伏せ ・スクワット など
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日常生活での活動量を増やそう

歩く距離や時間を増やす、階段を使う、まめに掃除をするなど、普段から体を動かすことを意識して過ごしましょう。歩くときは、同じ年代の同性の人と比較して、自分のほうが速く歩くよう意識すると、より効果的です。
毎日合計60分以上、歩行または歩行と同等以上の身体活動を行うことをめざしましょう。
監修 川上正舒 練馬光が丘病院名誉病院長









